MOFはイオンのふるい~リチウム-硫黄電池への応用事例~

Chem-Station 日本最大の化学ポータルサイト (2016.8.24)

化学者のつぶやき,論文,

投稿者:Tshozo,

 

 https://www.chem-station.com/blog/2016/08/lithium–sulfurbatteries.html

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------

私たちが検討を行っている全固体型マグネシウム二次電池( マグネシウムヨウ素イオン二次電池)の一形態においては,

ヨウ素イオンの酸化によるヨウ素分子の発生を極力抑えるための積層型の固体電解質構造(以下のページの構造Aにおける層20および21)や,それでも生じてしまった場合に,正極-負極間の移動を妨げるための層(以下のページの構造Aにおける層31)を設けることで,充放電特性の向上を図っています。

https://www.lpd-lab.com/mg-battery/mg-site/1/

https://www.lpd-lab.com/mg-battery/mg-site/6/

 これらは,いわゆる,ヨウ素の「シャトル効果」が起こらないようにするための構造になっていたと考えられます。

さらなる充放電特性の向上を目的として,種々電池系の「シャトル効果」と対策に関した情報検索を行っています。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

“Metal–organic framework-based separator for lithium–sulfur batteries”

Songyan Bai, Xizheng Liu, Kai Zhu, Shichao Wu & Haoshen Zhou, Nature Energy 2016, 1, 16094. doi:10.1038/nenergy.2016.94

https://www.nature.com/articles/nenergy201694

 

Shuttle Effect” シャトル効果、という電池屋さん以外はあまり聞きなれない単語が本論文のキーワードであり、かつ上記の③短期耐久性に関係しています。このシャトル効果という現象をものすごくテキトーに述べると

「電池内に2重スパイみたいな奴が居て負極と正極の活物資をてめえで勝手に喰ってしまう」

ということ。より厳密に言うと、「レドックス反応体が電解質経由で正極と負極を行ったり来たりしながら電池内で酸化還元反応を勝手に進めてしまい、自己放電が進んで充電率がガンガン下がる」という現象」

 

↑異分野の者にとっては非常に感覚的に把握しやすいです。

 

このガバガバな自己放電性は安全性と並び立ってLi-S電池の大きな課題で、これまであの手この手(例:セパレータにイオントラップを付ける、添加物を両極に入れる、電解質を固体化する)を使って抑制が試みられてきましたが、なかなかコレと言った成果は出ていませんでした。特に最後の固体化は、低温/常温性能の悪化という点で解決の目途が立っていないのがこれまでの現状でした。

そこで今回産総研、筑波大、南京大のチームはMOF(Metal-Organic Framework)を使って、液体電解質は基本的にそのままにして、Liイオンは通れるけど2重スパイであるレドックス体(LixSy)が通れないオングストロームオーダ(9Å!)の多孔フィルタを作り、それをそのままセパレータに適用、自己放電を抑制した電池を実現したというのが成果の要旨です。」

 

電池の基本構成の模式図

https://i0.wp.com/assets.chem-station.com/uploads/2016/07/redss_10.png?w=445&ssl=1

 

なおGO(Gaphene Oxide)をセパレータに混入したのは、後に述べる機械的強度を維持するためのもよう」

 

 ↑GOがイオン伝導体であることも効いている?

ともかく,多孔質であるべきで,高分子系の材料は使えないのかもしれないと思いました。

 

 

➡Back to マグネシウム二次電池情報検索 トップ