アルミニウム二次電池【13】:特許関連 グラフェンーアルミニウムイオンバッテリー No.7

Graphene Manufacturing Group Ltd.(GMG) のグラフェンーアルミニウムイオンバッテリー関連特許の検索。

 

GMG社のグラフェンーアルミニウムイオンバッテリー関連の特許に関しては,GMG社のホームページで以下のように述べられていて,

2021年11月ごろにオーストラリアで出願して国際出願されたものと,その前報となる,2020 年 11 月 25 日の最初の出願(オーストラリア→国際出願)があるとされていて,2021年出願のものに関しては,WO2023087067と以下のブログ記事特定できていた

アルミニウム二次電池【9】:グラフェンーアルミニウムイオンバッテリー No.6

この出願の,出願人はHPにあったようなUniQuest,ユニクエストではなくGMG社だった。

 

2020 年 11 月 25 日の最初の出願に関して検索していたところ,この出願はGMG社ではなく,THE UNIVERSITY OF QUEENSLAND(ザ  ユニバーシティー  オブ  クイーンズランド)から出されていた。発明者が,GMG社のHPのNewsのDr. Xiaodan Huangとなっており,優先権出願日が2020年11月25日と,GMG社HPの情報と一致していた。

 

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GMG: November 20, 2021 

グラフェンアルミニウムイオン電池技術に関する世界特許出願を申請

https://graphenemg.com/patent-battery-technology/

GMG のパートナーであるUniQuest Pty Limited  (UniQuest, ユニクエスト) は、2020 年 11 月 25 日の最初の出願に続き、特許法人条約 (「PCT」) に基づいて G+AI バッテリーの世界特許出願を提出しました。この特許出願は重要な特許出願です。これは、GMG が開発および展開する権利を有する G+AI バッテリー技術の知的財産 (「IP」) および世界的な商業化権を確保するためのステップです。

 

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GMG: November 2, 2023 

オーストラリアン・エコノミック・アクセラレーターによる電池研究の支援

https://graphenemg.com/battery-research-backed-by-australian-economic-accelerator/

「世界的な電化需要への対応を支援する新しいバッテリー技術は、(「AIBN」)材料化学者Dr. Xiaodan Huang(シャオダン・ファン博士)とグラフェン・マニュファクチャリング・グループ株式会社とのパートナーシップの下、商業化に向けて新たな一歩を踏み出すことになる。

AIBN 材料科学者 Xiaodan Huang 博士は、Graphene Manufacturing Group と協力して未来の電池の開発に取り組んでいます。

オーストラリア連邦政府の経済加速シード助成金と GMG の現物寄付によるサポートは、両当事者が協力してグラフェン アルミニウム イオン バッテリー技術をさらに開発するのに役立ちます。UQ(THE UNIVERSITY OF QUEENSLAND)は材料工学技術を提供し、GMGは電池製造施設を持っているため、我々は協力してグラフェン・アルミニウム・イオン電池技術をさらに開発できるでしょうと黄博士は述べた。」

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J-PlatPat

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0100

検索ワード

出願人: クイーンズランド

 

 

 特表2023-550812  審査請求前 (公開公報の発行)

 

【公表番号】特表2023-550812(P2023-550812A)

【公表日】令和5年12月5日(2023.12.5)

【発明の名称】グラフェン加工技術

【国際出願番号】PCT/AU2021/051408

【国際公開番号】 WO2022/109673

【優先日】令和2年11月25日(2020.11.25)

【出願人】ザ  ユニバーシティー  オブ  クイーンズランド

【発明者】【氏名】ユ  チェンチョン

【発明者】【氏名】ファン  シャオダン

【発明者】【氏名】コン  ユエキ

 

【特許請求の範囲】

【請求項1】

  グラフェンを加工する方法であって、以下の工程を含む方法:

  ・数層グラフェンをポリ(アルキレンオキシド)と組み合わせる工程

  ・乾燥させてグラフェン/ポリ(アルキレンオキシド)複合体を形成する工程;および

  ・このようにして形成されたグラフェン/ポリ(アルキレンオキシド)複合体を不活性雰囲気中で焼成する工程

【請求項2】

  グラフェンが3層グラフェンである、請求項1記載の方法。

【請求項3】

  焼成温度が約300℃~約500℃、好ましくは約400℃である、請求項1または請求項2記載の方法

【請求項4】

  ポリ(アルキレンオキシド)がポロキサマーなどのブロックコポリマーである、請求項1~3のいずれか一項記載の方法

【請求項5】

  請求項1~4のいずれか一項記載のプロセスによって製造されるか、得られるか、または得ることができる、加工グラフェン、好ましくは表面穿孔グラフェン

【請求項6】

  X線回折(XRD)プロファイルが、26.0°2θ未満に少なくとも1つのショルダーピーク、好ましくは2つのショルダーピークを示すことを特徴とする、加工グラフェン。

【請求項7】

  XRDプロファイルが、26.0°2θ未満に2つのショルダーピークを20%超の面積比で示す、請求項6記載のグラフェン

【請求項8】

  数層という特徴、好ましくは3層という特徴を含む加工グラフェンであって、

  約1.5nm~約3.5nmの寸法を有する面内ナノ細孔;

  50%超の拡大した層間格子

  3.40Å超の拡大層間距離;および

  4%未満の原子O/C含有率

より選択される1つまたは複数の特徴をさらに含む該加工グラフェン

【請求項9】

  請求項5~8のいずれか一項記載のグラフェンを含むカソード

【請求項10】

  請求項5~8のいずれか一項記載のグラフェンを含む炭素材料と、バインダーと、カソード基板とを含む、請求項9記載のカソード

【請求項11】

  カソード基板が、カーボンクロス、カーボンペーパー、モリブデン箔、およびチタン箔より選択される、請求項10記載のカソード

【請求項12】

  バインダーが、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、およびポリスチレンより選択される、請求項10または11記載のカソード

【請求項13】

  界面活性剤、乳化剤、または分散剤をさらに含む、請求項10~12のいずれか一項記載のカソード

【請求項14】

  界面活性剤、乳化剤、または分散剤が親水性非イオン性界面活性剤を含む、請求項13記載のカソード

【請求項15】

  親水性非イオン性界面活性剤がポロキサマーを含む、請求項14記載のカソード

【請求項16】

  請求項5~8のいずれか一項記載のグラフェンに加えて、1つまたは複数のさらなる炭素材料を含む、請求項10~15のいずれか一項記載のカソード

【請求項17】

  1つまたは複数のさらなる炭素材料が、ガス由来のグラフェン、グラファイト由来のグラフェン、グラファイト由来の酸化グラフェン、グラファイト、改質炭素、およびカーボンブラックより選択される、請求項16記載のカソード

【請求項18】

  前記炭素材料の1つまたは複数が、約1ナノメートル~約30マイクロメートルの厚さを有するカーボンフレークの形態で存在する、請求項10~17のいずれか一項記載のカソード

【請求項19】

  請求項9~18のいずれか一項記載のカソードを調製するための方法であって、以下の工程を含む方法:

  請求項5~8のいずれか一項記載のグラフェンを含む1つまたは複数の炭素材料をバインダー、溶媒、および任意で界面活性剤、乳化剤、または分散剤と混合する工程;

  前記混合物をカソード基板に塗布する工程;ならびに

  前記混合物を乾燥させて溶媒を除去する工程

【請求項20】

  溶媒が、N-メチル-2-ピロリドン、水、ジヒドロレボグルコセノン、1つまたは複数の炭化水素溶媒、および界面活性剤エマルジョンより選択される、請求項19記載の方法

【請求項21】

  請求項19または20記載の方法によって得られるカソード

【請求項22】

  請求項5~8のいずれか一項記載のグラフェンまたは請求項9~18および21のいずれか一項記載のカソードを含む、【特許請求の範囲】

【請求項23】

  請求項5~8のいずれか一項記載のグラフェンまたは請求項9~18および21のいずれか一項記載のカソードを含む、アルミニウムイオン電池

【請求項24】

  アルミニウム箔を含むアノードをさらに含む、請求項22または23に記載の電池

【請求項25】

  塩化1-エチル-3-メチルイミダゾリウム-塩化アルミニウム([EMIm]Cl-AlCl3);尿素-AlCl3;トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム;(Al[TfO]3)/N-メチルアセトアミド/尿素;AlCl3/アセトアミド;AlCl3/N-メチル尿素;AlCl3/1,3-ジメチル尿素;体系的にはビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミド(もしくは「イミデート」)として、および口語的にはTFSIとして公知のビストリフリミド;ならびに/またはトリフルオロメタンスルホネートを含む1つまたは複数の電解質をさらに含む、請求項22~24のいずれか一項記載の電池

【請求項26】

  ガラス繊維、ポリテトラフルオロエチレン、またはテトラフルオロエチレンの任意の合成フルオロポリマー、セルロース膜、およびポリアクリロニトリルより選択される材料を含むセパレータをさらに含む、請求項22~25のいずれか一項記載の電池

【請求項27】

  容量性脱イオン用途における、または再充電可能な電池用途における、請求項5~8のいずれか一項記載の加工グラフェンの使用。

 

【背景技術】

【0003】

  しかしながら、現在のグラフェンまたはグラファイト炭素に基づいたAIBカソードは典型的には比容量が約60~148mAh g-1でしかなく、AIB技術の進歩には限界がある。この低い比容量は、3.35Åという比較的面間距離が小さいグラファイト層に吸蔵する際に、AlCl4-イオンのサイズが大きい(約5.28Å)ためと考えられる。AlCl4-イオンはエッジ部位を通じてグラフェン層と平行にしか拡散できないため、拡散経路が長くなり、蓄積したAlCl4-アニオンからその後のイオン吸蔵までの電位障壁が高くなる。

 

 

【発明の概要】

【0007】

  本発明者らはグラフェンを修飾するための新規な界面活性剤補助熱還元穿孔(TRP)プロセスを開発した。より具体的には、界面活性剤はポリ(アルキレンオキシド)である。この穿孔プロセスは公知のグラフェン材料の欠点の1つまたは複数に対処する新規な形態のグラフェンを製造する。

【0008】

  発明者らは、フリーラジカルの供給源を用いた熱還元穿孔(TRP)プロセスを用いて、比較的穏やかな温度(約400℃)を用いる条件下で、数層のグラフェンナノシートを表面穿孔グラフェン(SPG)材料に変換できることを見出した。

 

【0013】

  したがって、第1の局面では、グラフェンを加工する方法であって、以下の工程を含む方法が提供される:

  ・数層グラフェンをポリ(アルキレンオキシド)と組み合わせる工程;

  ・乾燥させてグラフェン/ポリ(アルキレンオキシド)複合体を形成する工程;および

  ・このようにして形成されたグラフェン/ポリ(アルキレンオキシド)複合体を不活性雰囲気中で焼成する工程

 

【0017】

  グラフェン/ポリ(アルキレンオキシド)複合体の焼成は表面穿孔グラフェンをもたらす。よって、本明細書において記載される方法に従って調製される加工グラフェンは表面穿孔グラフェン(SPG)である。本発明者らは本発明の方法に従って調製されたSPGが新規な特徴および有利な特性を示すことを発見した。別の局面では、本明細書において記載されるプロセスによって製造されるか、得られるか、または得ることができる、加工グラフェン、好ましくは表面穿孔グラフェンが提供される。

 

【0018】

  さらに別の局面では、数層という特徴、好ましくは3層という特徴を含む表面穿孔グラフェンであって、

  約1.5nm~約3.5nmの寸法を有する面内ナノ細孔;

  50%超の拡大した層間格子;

  3.40Å超の拡大層間距離;および

  4%未満の原子O/C含有率

より選択される1つまたは複数の特徴をさらに含むグラフェンが提供される。

 

【0048】

  本明細書において用いられる場合、ポリ(アルキレンオキシド)という用語は、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(オキシエチレン)、PEGまたはPEOとしても公知のポリ(エチレンオキシド);およびPPOまたはポリ(オキシプロピレン)としても公知のポリ(プロピレンオキシド);あるいはポリ(ブチレンオキシド)を非限定的に含む。いくつかの態様では、好ましくはポリマーの重量は約1000~約17000である。

 

【0055】

  グラフェンおよびポリ(アルキレンオキシド)は周知の技術を用いて混合することによって組み合わせ得る。いくつかの態様では、好ましくはグラフェンナノシートとポリ(アルキレンオキシド)との混合物を、好ましくは脱イオン水中で、超音波処理によって混合して懸濁液を得る

 

【0095】

  ラマン分光法およびN2吸脱着測定を採用してSPG材料の構造をさらに調べた(図1d、1eおよび図7)。すべての試料のラマンスペクトルでは約1355および約1582cm-1でピークに達する典型的なDおよびGバンドが観察でき、そこから欠損密度(DバンドとGバンドの強度比、ID/IG)を計算し、図1fにプロットした。欠損密度は未加工のG3-400(0.45)およびG7-400(0.28、図7)からTRPプロセス後ではSPG3-400(0.88)およびSPG7-400(0.48)まで増加するが、焼成温度(600および800℃)が上昇するとsp2ネットワークの部分的な回復により減少し、XRD結果と一致する。比較的固体の性質を有するG3-400と比較して、N2吸着等温線および対応する細孔径分布曲線から証明されるSPG材料の多孔質特性はTRPプロセスが平均サイズ2.3nm前後のメソ細孔を生じることを示す。約2.3nmのメソ細孔に対応する細孔容積を計算し図1fにプロットしており、ラマン分析から計算された欠損密度と同様の傾向が示されている。SPG3-400はメソ細孔(約2.3nm)の容積が0.11g cm-3である。

 

(技術内容の理解・議論に図表の表示が不可欠のため,図表のURLに直接リンクして表示させていただいております。著作権上問題がある場合にはご指摘ください。図表の表示を削除します。)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/gazette_work2/domestic/A/505550000/505550800/505550810/505550812/C55970DC1D43DD14C33759922E9C6B4DAFF0B625085B7DD35CC84602460A2D98/text/JPA%20505550812_i_000009.jpg?version=202401182134

図

図1-2

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WO2023/087067 に比べて,

このWO2022/109673(特表2023-550812,P2023-550812A)における課題は以下のようにに明確であり,全体も理解がしやすかった。

 

・低い比容量は、3.35Åという比較的面間距離が小さいグラファイト層に吸蔵する際に、

 AlCl4-イオンのサイズが大きい(約5.28Å)ため と考えられる。

・本明細書において記載される方法に従って調製される加工グラフェンは表面穿孔グラフェン(SPG)である。

  約1.5nm~約3.5nmの寸法を有する面内ナノ細孔;

 50%超の拡大した層間格子;

 3.40Å超の拡大層間距離;および

 4%未満の原子O/C含有率

 より選択される1つまたは複数の特徴をさらに含むグラフェンが提供される。

 

 GMG社が行っているプロトタイプのセルの実験で,コインタイプセルのように,カーソードのグラフェン・バインダーポリマー塗布層の厚さが薄いと思われる場合には,上記のような表面穿孔グラフェン(SPG)が実現できれば効果はあるようにも思われるが,

ラミネート型のある程度の厚さとなったパウチセルの場合にはどうだろうか?これは,出願の内容とは別の問題になるが,気になるところである。

 

図1-2のラマンバンドには,グラフェンシートに特有の2Dバンドの有無は触れられておらず,ブロードなGバンドとDバンドが同様な強度ででているので,ほぼアモルファスカーボン的なスペクトルパターンのようにも思われる。

DバンドとGバンドの強度比ID/IGからグラフェンの欠損の議論も多くの論文で行われているが,その場合には,2Dバンドが少なくとも観測され,GバンドおよびDバンドがシャープな結晶性の高いカーボンに対しての場合ではないだろうか?

もし,数層の積層構造であったならば,ラマンバンドの特性からは,

非常に薄いアモルファスカーボンで,2D(平面)方向の大きさもかなり小さい,どちらかといえば,ナノカーボン粒子的な構造がイメージされるが,どうなのだろうか?

 

電池構造の点から見れば,カソードが表面穿孔グラフェン(SPG)と呼ばれるものである点以外では,

スタンフォード大のHongjie Daiらの論文からの進歩点はないように思われる。

 

 

 

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