気象暑さ指数モニター  WBGT Simple Version   ver.1.0.0

(Android版無料アプリに向けて準備中)

1.はじめに

 世界的な気候変動によって熱中症等の予防・対策が重要となっており,2025年(令和7年)6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、一定の暑熱環境下での作業において,熱中症対策(体制整備・手順作成・周知)が罰則付きで義務化されます。違反した事業主には「6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科される可能性があります。このため,暑さの厳しい環境では,職場への暑さ指数計の設置や,暑さ指数計を携えての作業が必要となっております。しかし,暑さ指数計は,太陽の直射日光や地面からの照り返し(輻射熱)の影響を評価するために,黒色球状形状の黒球を備えた構造で黒球温度を計測すること必要となるため,形状的に嵩張り,作業の邪魔になってしまう場合もあります。また,ほとんどの暑さ指数計では風速による冷却効果の評価ができないことから,暑さ指数(WBGT Wet Bulb Globe Temperature)を過大に評価してしまう場合があります(一部の暑さ指数計では風速を入力して補正する機能を有しています)。

 本無料アプリは,上記のような課題解決の一助を目的として開発されたものです。オープンソースの無料気象データを利用して,日射に影響を与える具体的な物理要素(太陽の位置,雲量,水蒸気量や気温による大気透過率の変動)を評価し,大気透過関数気象パラメータによる補正を組み合わせることで,観測地点の局所的な気象変動が反映された日射量の推算を行っています。これに,オンライン気象データからの風速の影響を考慮することで,物理的な推算モデルによって,黒球温度の評価を可能としています。これによって,常時携帯しているスマートフォンがあるだけで,屋外暑さ指数の推定値を知ることができます。また,室内暑さ指数の推算と表示も可能となっています。本アプリでは,日射が無い条件下で,屋内暑さ指数のほうが屋外暑さ指数よりも高い場合がありますが,これは屋外の風速による冷却効果をきちんと評価できているためです。従来の暑さ指数計では風速の評価をリアルタイムで行うことができないために,屋内暑さ指数のほうが屋外暑さ指数よりも高いようなケースを評価することは不可能でした。

 これまでの暑さ指数の推算は,日本の特定気象台のデータに基づいた統計モデルが用いられてきました。これに対して,本アプリでは物理法則に基づいた式をベースにしているため,日本国内だけでなく海外地点でも理論的整合性を保ったまま推算が可能であるという汎用性の高さを有しています。また,リアルタイムでオンラインの気象データからWBGTを導出できる軽量かつ高精度なアルゴリズムとなっています。また、本アプリでは物理法則に基づいた式をベースにしているため,日本国内1400か所以上の地点でのオンラインの気象データおよびWBGTの取得ができるよいう特徴を有しています。

 気象暑さ指数モニターでは,スマートフォンベースであるという特徴を生かしてクラウドサーバへの定期的なデータ保存あるいはメール送信を行うことで,作業者と暑さ指数データ・気象データとを紐づけて安全健康管理を行うことも可能であり,種々のオプション機能を有したアプリ(Professional Version)も開発しています。

2.システム要件

・OS: Android 8.0以上

 

3.アプリ起動・設定

アイコンをタップすると,アプリが起動しますが,最初の起動の場合には,オンライン気象データ提供元のOpenWeather のAPIキー(無料)が登録されていないため,「OpenWeather APIキー未設定 APIキーを保存してください」の表示がでます。

 

APIキーが未設定の場合には,屋外暑さ指数WBGTおよび屋内暑さ指数WBGTの値は表示されません。

 

「⚙ 設定」をタップして「アプリ設定」ページに移動し,,

本ホームページの以下のサイトを参考にして,OpenWeatherのWebサイトで,OpenWeatherへの登録とAPIキー(無料)を入手してください。

 

OpenWeather無料APIキーの登録方法

 

OpenWeatehr Webサイト

 


※APIキー作成直後は、サーバー側で有効化されるまでに、数十分から数時間かかる場合があります。ソフトウェアやアプリで通信エラーが発生する場合は、しばらく時間を置いてから再度お試しください。

 



 アプリを立ち上げますと,最初に「通知の送信をWBGT Simpleに送信しますか?」と出てきますが,これは暑さ指数が危険域となったときの警報音(バイブ)の通知に関するもので,個人情報に係るものではありませんので,安心して「許可」して下さい。

 

OpenWeatherへの登録とAPIキー(無料)を入手して,”Open Weather APIキー”の欄に入力あるいはコピー&ペーストして下さい。パスワードを表示するチェックボックスにチェックを入れると,入力が表示されで補助となりますが。32桁のAPIキーですので,コピー&ペースト入力のほうが良いかもしれません。

 

都市名の初期設定は,Tokyoになっています。都市名の入力は,最初が大文字でそれ以降は小文字のローマ字入力となります。

上記の入力が完了したら,「設定を保存」ボタンをタップして下さい。次回からのアプリ起動では,APIキーの再入力は不要となります。

 

APIキー入力・保存直後に左上の左向き矢印をタップしてメインページに戻りますと,屋外暑さ指数WBGTおよび屋内暑さ指数WBGTの値が表示されないことがありますので,その時には「更新」ボタンをタップすると表示されます。

 

地図を片手に世界各国の都市名を入力して「更新」すると,様々な都市の気候データと,暑さ指数に伴う警報を見ることができます。

 


4.情報

「ⓘ 情報」をタップしますと「アプリinfo」ぺージに移動します。以下の各サイトへのリンクが表示されます。

 

・気象暑さ指数モニタS マニュアル

 

OpenWeather登録方法および注意事項

 

暑さ指数WBGTによる熱中症対策関連情報

 

・暑さ指数WBGT推算モデル

 

・プライバシーポリシー

 

・"Contact US

 

ReadMeには,以下の記述があります。

 

【オンライン気象データ】

 本ソフトウェアでは, OpenWeatherの提供するオンライン気象データを利用しています。ここに感謝いたします。

Weather data provided by OpenWeather.  https://openweathermap.org/ 

 

【免責事項】

 本アプリのWBGT値はOpenWeatherの気象データを用いた半物理モデルに基づく推定値です

。実際の現場の状況を優先し、熱中症予防の参考値としてご利用ください。

医療・安全判断の最終決定は専門の機器で行ってください。

本アプリの使用による損害について開発者は責任を負いません。

 

【謝 辞】

本プロジェクトでは、GoogleのAIモデル「Gemini」を共同開発パートナーとして活用することで,

暑さ指数WBGTの推算モデル(Watanabe-Geminiモデル1)およびアプリの開発を行いました。

オブジェクト指向設計のアドバイスや気象データを用いた暑さ指数の推算ロジックの構築において、

多大な技術協力を得たことをここに感謝いたします。 

 

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5.警報音(バイブについて)

  

 屋外暑さ指数の値が,28℃以上になりますと,以下のような警報音(バイブ)が鳴ります。31℃を超えると2連で警報音(バイブ)が鳴ります。警報音(バイブ)は,メインページの「警報音を鳴らす」のチェックボックスを外して下さい。

 

 警報音(バイブ)の音量や有無の調整を音とバイブとで別個に行う場合は,以下のようにして下さい。

・音量の調整は,他のアプリと同様に,音量調整の上下ボタンで行って下さい。警報音を止める場合も同様です。

・バイブの有無はは,設定の「音とバイブレーション」のメニュー内で,「バイブレーションとハプティクス」の設定に入り,操作時のハプティクスの「間隔フィードバック」のオン・オフで設定して下さい。

 

上記の操作手順は、お使いの端末やAndroid/iOSのバージョンにより異なる場合があります。画面の表示に従い、設定を行ってください。

 

6.OpenWeanther でオンライン気象情報が得られる都市(市町村)

  

 以下のサイトで,OpenWeanther でオンライン気象情報が得られる市町村に関する情報を得ることができます。

 

          https://openweathermap.org/weathermap

 

 上記のリンクをクリックすると,OpenWeatherサイトで世界地図が表示されます。マウス操作で,移動や拡大・縮小をしながら,目的とする場所の気象情報を探すことができます。日本地図上の地名は,漢字とローマ字併記で表示されていますので,ローマ字のほうを,本アプリの都市名として入力してください。頭文字が大文字でそれ以降は小文字のローマ字入力となります。スマホの場合は,最初に右上の”目のマーク”をクリックして,気象データの表示を無くしてからマップ上の位置を移動したり拡大・縮小することでよりスムーズな操作を行うことができます。

 OpenWeanther のマップ上でクリックしてみますと, 大都市ばかりではなく様々な地域の気象データを知ることができます。観測所がない地点のデータまで表示できているのは、周囲の観測データに地形データ(標高など)を加え、AIや高度な物理シミュレーションによってその地点の値を推定しているためと思われます。

 

 以前ですと,例えば以下のサイトからcity.list.json.gzをダウンロードして取得して,目的の都市名を見つけなければなりませんでしたが,膨大な都市名のデータですので,容易なことではありませんでした。

OpenWeatherサイトで,地図上からグラフィカルに都市名や気象データを知ることができるようになって,利便性が飛躍的にアップしています。

 

          http://bulk.openweathermap.org/sample/

 

 OpenWeantherの気象マップで,ご自宅や作業現場の近くの地名をぜひ探してみてください。そして,本アプリが,熱中症対策に少しでもお役にたてることがあれば幸いです。