Energy harvesting 環境発電&蓄電: 以下は,Webで公開されている情報を頼りに,振動発電系のセットアップを行うための忘備録です。

種々電子素子の入手先,仕様,使い方,特性,実際の計測データ等々,私同様にゼロから振動発電系を組んでみたい方がいらっしゃった場合も考えて,

できるだけわかりやすく記録しておきたいため,出典のURLとともに図表等を直リンク(ダイレクトリンク)させていただくこともあるかもしれません。

直リンク等に問題がある場合には削除いたしますので,御指摘ください。よろしくお願い申し上げます。

 

 

振動発電&蓄電用実験系の準備 No.15

[11]THRIVE K7520BP2 振動発電素子 (大) -両面・大電流タイプ-(8)

            振動発電モジュール LTC3588との組み合わせによる紫色LED発光特性

 

 振動発電モジュール LTC3588と組み合わせると,ブリッジダイオードの時とはまったく様相が異なり,パルス状に非常に明るく発光した。ただし,その発光時間は非常に短く,数ミリ秒のオーダーであった。このパルス状発光は,振動発電モジュール LTC3588の出力側のコンデンサ(47μF)に蓄えられた電荷の放電によって,紫色LED(Opto Supply社: OSV5YL5111A,405 nm順方向電圧3.4V,20mA)がフラッシュ状に光る現象と思われる。LEDの発光時間を長くするには,振動発電モジュール LTC3588の出力側のコンデンサ容量を大きくしてやればよいように思われるが(その分,充電完了までの待ち時間を要することになるが),この点に関しては,今後検証予定としている。

 

図15-1に,振動発電モジュール LTC3588による紫色LEDOpto Supply社: OSV5YL5111A,405 nm,順方向電圧3.4V,20mA)発光実験のセッティングを示した。振動発電モジュール LTC3588の出力電圧の設定は,3.6Vの最大設定値にしている。紫色LED(Opto Supply社: OSV5YL5111A)の順方向電圧は,最小値3.0V, 標準値3.4V, 最大値3.8Vの仕様となっている。

 

図15-2には,0.1~10Hzの各振動数でのLED発光の時間変化を示した。LED発光のパルス幅が非常に短いため,LED光の1パルスの減衰曲線で示している。発光強度(放射強度)は,No.13と同様に,フォトダイオードユニット(浜松ホトニクス,C6386-01)を用いた測定および図13-1の分光感度特性から求めた。何れの振動数でも,発光強度は1 mWを超えているが,発光時間は非常に短く,半値幅が0.5 ms (ミリ秒, 500ns ナノ秒)前後のパルス状の発光減衰曲線が観測された。

 

図15-3には,図15-2のパルス発光強度の最大値の振動数依存性を示した。2Hz以上の振動数では,ほぼ一定値となった。1Hzから低振動数側では発光強度の減少がみられたものの,0.1Hzという低振動数においても,1 mWを超える発光強度となっており,これは前ページNo.14でのブリッジダイオードによる紫色LED発光強度の10000倍近くの明るさとなっている。しかし反面,発光時間は1/10000近く短くなっている。

 

 


図15-1  振動発電モジュール LTC3588による紫色LEDOpto Supply社: OSV5YL5111A,

順方向電圧3.4V,20mA)発光実験のセッティング。

 

図15-2   0.1~10Hzの各振動数でのLED発光強度の時間変化。

 

図15-3  紫色LED(OSV5YL5111A)の発光強度最大値の振動数依存性

 

ブリッジダイオードによる整流のみの場合には,振動数に比例して発光強度が増加したが,振動発電モジュール LTC3588による場合には,2Hz以上の振動では発光強度は一定となった。この場合,振動数で何が違ったかというと,パルス発光の時間間隔(単位時間当たりのパルス数)であった。振動数1Hzと5Hzの場合の,LEDにかかる電圧(Ch1 オレンジ)とLED発光強度(Ch2 水色,mW換算前の電圧)のオシロスコープトレースを図15-4および図15-5にそれぞれ示した。両図において,LED発光に関わるパルス状のピークの高さがばらついているが,これは発光のパルス半値幅が0.5 ms (500 ns, ナノ秒)と非常に短く,広い時間帯域(それぞれ1s/div, 100ms/div)での観測では,オシロスコープの時間軸の分解能の問題で,ピーク値をとらえきれていないためである。

 

1Hzの場合にはパルス間隔が約600ms, 5Hzの場合には約160ms,となっており,単位時間当たりのパルス数は,5Hzのほうが多くなっている。ところで,振動発電モジュール LTC3588を用いた場合には,ブリッジダイオード整流の場合のように,振動と発光のタイミングとは一致しない。これは,LTC3588による昇圧と出力側コンデンサーの充電等のプロセスを経るためと考えられる。

 

振動数が10Hzおよび20Hzの場合の,LEDにかかる電圧(Ch1 オレンジ)とLED発光強度(Ch2 水色,mW換算前の電圧)のオシロスコープトレースを図15-6および図15-7にそれぞれ示した。奇妙なことに,5Hz以上に振動数が増加しても,単位時間当たりのパルス数は増えていない。

振動発電モジュール LTC3588の特性によるものと考えられるが,その理由を把握できていない。入力側の過電圧保護用のツェナーダイオードの影響かとも思ったが,20Vツェナーダイオードなので問題はないと思われる。実験的には,今回の紫色LEDの発光においては,振動発電モジュール LTC3588を用いた場合,5 Hzよりも振動数を高くしても効果がない,という結果だった。

逆に低振動数側の特性は,大幅に改善された。単発の振動発電でみれば,0.1Hzの振動数においてさえ,1mWを超える発光強度が示された。人間の歩行や動作の振動数は1Hz前後と思われるが,そのような低振動数での振動発電において,LTC3588振動発電モジュールは非常に有効なデバイスであると考えられる。

 

LTC3588振動発電モジュール のコンデンサー容量を変えることで,異なる挙動となると思われるが,まだ検証できていない。

 

図15-4   振動数1Hzの場合のLEDにかかる電圧(Ch1 オレンジ)とLED発光強度(Ch2 水色,mW換算前の電圧)のオシロスコープトレース

図15-5   振動数5Hzの場合のLEDにかかる電圧(Ch1 オレンジ)とLED発光強度(Ch2 水色,mW換算前の電圧)のオシロスコープトレース


図15-6   振動数10Hzの場合のLEDにかかる電圧(Ch1 オレンジ)とLED発光強度(Ch2 水色,mW換算前の電圧)のオシロスコープトレース

 

図15-7   振動数20Hzの場合のLEDにかかる電圧(Ch1 オレンジ)とLED発光強度(Ch2 水色,mW換算前の電圧)のオシロスコープトレース


(LTC3588 圧電素子・振動発電モジュール )

・ストロベリー・リナックス社

LTC3588 圧電素子・振動発電モジュール メーカー品番:LTC3588-1

https://strawberry-linux.com/catalog/items?code=12018

 LTC3588説明書 

https://strawberry-linux.com/pub/ltc3588-1.pdf

 データシート 

https://strawberry-linux.com/pub/35881f.pdf

 

コメント: 1
  • #1

    管理人 (水曜日, 24 4月 2024 10:14)

    コメント欄を試験的に開設しました。
    技術情報交換等にご利用下さい。(2024.4.24)