Energy harvesting 環境発電&蓄電: 以下は,Webで公開されている情報を頼りに,振動発電系のセットアップを行うための忘備録です。
種々電子素子の入手先,仕様,使い方,特性,実際の計測データ等々,私同様にゼロから振動発電系を組んでみたい方がいらっしゃった場合も考えて,
できるだけわかりやすく記録しておきたいため,出典のURLとともに図表等を直リンク(ダイレクトリンク)させていただくこともあるかもしれません。
直リンク等に問題がある場合には削除いたしますので,御指摘ください。よろしくお願い申し上げます。
振動発電&蓄電用実験系の準備 No.23
[12]THRIVE K7520BS3振動発電素子(大)-両面・高電圧タイプ-
THRIVE K7520BP2 振動発電素子(大)-両面・大電流タイプ-との比較(2)
ブリッジダイオード整流のみの場合:電流ー負荷および電力ー負荷曲線
振動発電素子として高電流型のK7520BP2および高電圧型 K7520BS3を用いて,負荷として種々の抵抗を接続し,ブリッジダイオードで整流した場合の,電圧ー負荷抵抗曲線,電流ー電圧曲線,および電力ー電圧曲線の測定を行った。
実験においては,まず,ブリッジダイオード整流前のVp-p(振動発電による交流波のpeak to peak電圧,負荷のない場合の開放電圧)を,高電流型K7520BP2の場合には30Vp-p,高電圧型 K7520BS3の場合には 80Vp-pの最大出力電圧に設定してから測定を行った。
素子の仕様での最大出力電圧を得るための,振動発電素子の変位(ステンレス基板端での変位)は,高電流型のK7520BP2では±7 mm, 高電圧型 K7520BS3では±8 mmであった。振動発電は,振動数5Hzで行った。
電流値は,デジタルメータの電流モードでピークホールド機能を使って電流の最大値の測定によって求めた。
図23-1には,ブリッジダイオード整流後の電圧ー負荷抵抗曲線を示した。負荷抵抗が1MΩの場合には,高電流型のK7520BP2の場合には12.8V,高電圧型 K7520BS3の場合には35.6Vで,素子仕様の最大出力電圧に近い値となっている。
負荷抵抗が小さくなるに従って,電流は増加し,その分,電圧は低下する。
図23-2には,ブリッジダイオード整流後の電流ー電圧曲線を示した。
電圧が高い領域では,高電圧型 K7520BS3のほうが,高電流型K7520BP2よりも高い電流値を示している。
両者の電流値が逆転するのは,2.3 V付近であった。
もし,これらの振動発電素子で駆動するデバイスの電圧が,2.3Vより高電圧側の場合には,高電圧型 K7520BS3のほうが,電流・電圧ともに,高電流型K7520BP2よりも有利であると考えられる,
一般的には,5V駆動の場合が多いと思われ,LEDを直接光らせる以外には2.3V以下での駆動は稀だと思われることから,ブリッジダイオード整流のみの場合には,高電圧型 K7520BS3を選択するほうが好ましいと考えてもよいように思える。
(これは,次ページの振動発電モジュール LTC3588との組み合わせにおいては違ってくる。)
図23-3には,ブリッジダイオード整流後の電力ー電圧曲線を示した。
電圧が高い領域では,やはり高電圧型 K7520BS3のほうが,高電流型K7520BP2よりも高い電力を示し,最大値では1mWを超えている。
2.3 V付近で,両者の電力は逆転したが,その違いは大きくはなく,この結果から考えても,ブリッジダイオード整流のみの場合には,高電圧型 K7520BS3を選択するほうが好ましいと考えられる。
(コンデンサ等を接続した場合には上記の結果は,また変わってくると思われるが,その点に関しての検証はできてはいない。)
図23-1 ブリッジダイオード整流の場合の電圧ー負荷抵抗曲線。振動発電:振動数5Hz。
(■)高電流型K7520BP2: 圧電素子の両側に対称的に±7 mm変位でVp-p=30 V 設定,
(●) 高電圧型K7520BS3: 圧電素子の両側に対称的に±8 mm変位でVp-p=80 V 設定。
(注) パルス状の出力となるため,図ではパルスの尖頭値(パルス波形の最大値)でのプロットとしている。
図23-2 ブリッジダイオード整流の場合の電流ー電圧曲線。振動発電:振動数5Hz。
(■)高電流型K7520BP2: 圧電素子の両側に対称的に±7 mm変位でVp-p=30 V 設定,
(●)高電圧型7520BS3: 圧電素子の両側に対称的に±8 mm変位でVp-p=80 V 設定。
(注) パルス状の出力となるため,図ではパルスの尖頭値(パルス波形の最大値)でのプロットとしている。
図23-3 ブリッジダイオード整流の場合の電力ー電圧曲線。振動発電:振動数5Hz。
(■)高電流型K7520BP2: 圧電素子の両側に対称的に±7 mm変位でVp-p=30 V 設定,
(●) 高電圧型K7520BS3: 圧電素子の両側に対称的に±8 mm変位でVp-p=80 V 設定。
(注) パルス状の出力となるため,図ではパルスの尖頭値(パルス波形の最大値)でのプロットとしている。
管理人 (火曜日, 30 4月 2024 17:55)
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