Energy harvesting 環境発電&蓄電: 以下は,Webで公開されている情報を頼りに,振動発電系のセットアップを行うための忘備録です。

種々電子素子の入手先,仕様,使い方,特性,実際の計測データ等々,私同様にゼロから振動発電系を組んでみたい方がいらっしゃった場合も考えて,

できるだけわかりやすく記録しておきたいため,出典のURLとともに図表等を直リンク(ダイレクトリンク)させていただくこともあるかもしれません。

直リンク等に問題がある場合には削除いたしますので,御指摘ください。よろしくお願い申し上げます。

 

 

振動発電&蓄電用実験系の準備 No.19 

[11]THRIVE K7520BP2 振動発電素子 (大) -両面・大電流タイプ-(12)

            LTC3588振動発電モジュールとの組み合わせ:

   出力電圧Vout 1.8 V 設定の場合の

     電流ー負荷(抵抗)および電力ー負荷(抵抗)曲線

mAレベルの電流が流れないと光らないはずのLEDが,パルス発光状になら非常に明るく光る理由を,

電流ー負荷(抵抗)および電力ー負荷(抵抗)曲線の測定から検討した。

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前ページ(No.18)では,LTC3588振動発電モジュールにTHRIVE K7520BP2 振動発電素子 (大) -両面・大電流タイプからの振動発電電圧を入力して,LTC3588振動発電モジュールの出力Vout側に,470μFのコンデンサを10個並列(4.7mF)して接続し,赤色LED(Optosupply社,OSR5PA3133A-1MA,順方向電圧:1.8V,1mA)を光らせた場合の発光特性についての検討を行った。

コンデンサ容量が470μF以上で,明るさの変動はあるものの,上記仕様のLEDにおいては連続発光が可能だった。

 

今回は,LTC3588振動発電モジュールのVout出力側に種々の抵抗を負荷として接続して,オシロスコープで負荷抵抗にかかる電圧の時間変化を観測することで,電流ー負荷(抵抗)および電力ー負荷(抵抗)曲線の測定をおこなった。この時,出力電圧Voutは1.8V設定とした。3.6V設定の場合のデータに関しては,次ページ(No.20)にまとめて示す。どちらも,振動発電は,振動数5Hzで,圧電素子の両側に対称的に±7mm変位させた条件で行った。

 

図19-1には,LTC3588振動発電モジュールのVout出力側に種々の抵抗を負荷として接続した場合の,負荷抵抗にかかる電圧の時間変化を示した。負荷抵抗が,100kΩから15kΩの範囲においては,Voutは,LTC3588振動発電モジュールのスイッチングレギュレータの設定電圧である1.8V付近でわずかに変動するのみで,オシロスコープのAmplitudeカーソルの読みでは,上限電圧が1.88V,下限電圧が1.80Vとなっている。負荷抵抗が10kΩ以下になると,Voutのパルス状の変動が現れてくる。これは,負荷抵抗値が小さくなることで,振動発電によって得られる電力および電流の上限を超えてしまい,スイッチングレギュレータの設定電圧である1.8Vを定常的に出力することができなくなるためと考えられる。負荷抵抗が100 Ωでは,短ルス状のVoutの時間変化が観察された。

 

負荷抵抗値と,オシロスコープのAmplitudeカーソルから読み取った上限電圧および下限電圧から,電流および電力を計算して,それぞれ,図19-2および図19-3に示した。出力電圧がパルス状に変化する負荷抵抗が1 kΩおよび100 Ωの場合には,上限電流値(パルスピークでの電流値)は1 mAを超えており,上限電力(パルスピークでの電力)は1 mWを超えている。

この時の電圧はLEDの順方向電圧以下となってしまっているので,この電流および電力をもって,LEDの非常に明るいパルス状発光の直接の説明とはできないかもしれないが,上記のようなパルス状の高い電流および電力(時間的平均でみると低いが時間的に圧縮されて高い値となった)が,LEDの非常に明るいパルス状発光に関連しているとは言えるのではないだろうか。

振動発電の電力はパルス状に発生するので,当然のことではあるようにも思われる。

 

 

図19-1 LTC3588振動発電モジュールのVout出力側に種々の抵抗を負荷として接続した場合の負荷抵抗にかかる電圧の時間変化。

 LTC3588振動発電モジュールの出力電圧Vout設定:1.8V,振動発電は:振動数5Hz,圧電素子の両側に対称的に±7mm変位。

 

図19-2 LTC3588振動発電モジュールのVout出力側に種々の抵抗を負荷として接続した場合の電流ー負荷抵抗曲線

 LTC3588振動発電モジュールの出力電圧Vout設定:1.8V,振動発電は:振動数5Hz,圧電素子の両側に対称的に±7mm変位。

 

図19-3 LTC3588振動発電モジュールのVout出力側に種々の抵抗を負荷として接続した場合の電力ー負荷抵抗曲線

 LTC3588振動発電モジュールの出力電圧Vout設定:1.8V,振動発電は:振動数5Hz,圧電素子の両側に対称的に±7mm変位。

 

コメント: 1
  • #1

    管理人 (水曜日, 24 4月 2024 09:59)

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